発達障害の人って頭が悪いの?~知能が低いわけではありません~

 

 

発達障害の人たちは、空気を読むことが難しかったり、あいまいな指示を理解することが難しかったりします。そのため、周囲の人たちが驚くようなことをしてしまい、頭が悪いのでは?と思われてしまうことも少なくないようです。しかし、発達障害には知的な遅れがある人もいれば、知的な遅れがない人もいます。発達障害者の中には、知能が高く、秀でた才能を持つ人もいます。ですので、発達障害だから頭が悪いとは言えないのです。

 

 

◯発達障害への誤解

 

発達障害という名称から、発達障害の人たちのことを脳が発達していない、知能が低いと誤解している人も多いようです。また、日常生活で苦手なことが多いため、頭が悪いのではと誤解されてしまうこともあるようです。

しかし、発達障害の診断は、知能の高低で判断されるわけではありません。日常生活に支障をきたす特徴的な症状が、幼少期から見られるかについての問診によって診断されます。

 

「発達障害の診断は、ASD、ADHDなど、診断名ごとにそれぞれ国際的な診断基準があり、精神科医が相談者との面談や検査を行いながら、時間をかけて総合的に判断します。他の病気の診断と大きく違うのは、子どもの頃からの生育歴が重要ということです。」

引用:「発達障害を生き抜くために 診断と治療」

 

発達障害を診断する上で、知能検査が行われる場合もありますが、これは各能力のバランスを見たり、どの能力に凸凹が見られるかを調べたりする目的で行われるもので、知能の高低を調べる目的で行われるものではありません。

 

知能検査の結果が、発達障害ではない人と変わりない結果だったため、発達障害ではないと診断される人もいるようです。しかし、日常生活には支障が出ているので、発達障害であるという診断を受けられず困ってしまうそうです。

 

このように、発達障害は知的障害を伴わない場合が多いですが、その特性ゆえに社会生活になじめない事があるため、誤解を受けてしまうことがあります。

 

実は、発達障害の人たちの中には、知能指数(IQ)が高い人も少なくありません。また、様々な分野で活躍している人たちも多くいます。続く部分では、そのことについて取り上げたいと思います。

 

 

◯天才と呼ばれる人たちもいる

 

発達障害の人の中には、知能指数(IQ)が高く、天才と呼ばれる人たちもいます。アインシュタインやエジソン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズなどは、発達障害ではないかと言われています。

 

「幼少期のエジソンは、ほかの子どもが疑問に思わないようなことに対しても「なぜ?」を連発する子どもでした。たとえば、小学校で「1+1=2」を習ったときに、なぜ「1+1」が「2」になるのか、先生を質問攻めにしたというエピソードが残っています。」

引用:「エジソン、モーツァルト…偉人たちを支えた親の行動とは?」

 

上記のエジソンのように、発達障害の特性であるこだわりの強さや、好きなことには集中できる、好奇心旺盛といった強みを生かし、学問や、専門分野の知識に秀でている人たちが少なくありません。

 

医者や研究者には、発達障害の特性を持っている人が多いそうです。東京大学や、難関大学を卒業する人もいます。記憶力が優れていて、見たものを瞬時に映像として記憶できる能力を持つ人もいます。
発達障害は発達しないわけではなく、発達の仕方が独特という特徴があるので、ある分野に秀でている人たちもいるのです。

 

 

◯様々な分野で活躍する人たちもいる

 

発達障害の人の中には、芸術家やクリエイター、芸能人、スポーツ選手など、秀でた才能を持っている人たちもいます。

ゴッホやピカソ、ダヴィンチといった画家や、モーツァルトやベートーベンなどの音楽家、映画監督のウォルト・ディズニー、スティーブン・スピルバーグ、俳優のトム・クルーズ、ウィル•スミス、スポーツ選手のベーブ・ルースやカール・ルイスなど、優れた才能を発揮させている人たちが多く見られます。

 

「ピカソは、いくらでもアイデアを思いつく人でした。次々と新しい魅力的なアイデアが降ってくるので、何かをやり遂げる前に次のことへ移ってしまうこともしばしばでした。」

引用:「ADHDの画家ピカソとアスペルガーの画家ゴッホの共通点と違いー発達障害がもたらした絵の才能」

 

上記のピカソのように、発達障害の特性を生かして活躍している人たちが多くいます。発達障害の特性であるこだわりの強さや、多動や衝動性(様々なことに興味を持つ、思いのままに表現できる)

 

好きなことへのずば抜けた集中力などが、才能を伸ばすことに役立っているのです。発達障害には発達の凸凹があり、人と思考回路が違っていたりします。そのため、個性が求められる分野で成功しやすいようです。

 

 

最後に

 

日常生活での困りごとが多いため、誤解を受けてしまうことがある発達障害の人たち。しかし、これまで見てきたように、発達障害の人たちは知能が低いわけではありません。知能が高い人や、発達障害の特性を生かして、様々な分野で活躍する人もいます。

 

ですので、発達障害の人は頭が悪いと決めつけることなく、互いに個性を尊重し、協力しあっていけたらいいですね。

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