【体験談】『発達障害で仕事が続かない方へ』ーあず・20代・女性
もくじ
①名前・年齢(年代)・性別
あず・20代・女性
②発達障害の種類・診断名
ASD(特定不能の広汎性発達障害)
③発達障害に気付いたきっかけ
小学校1年生の時に授業中に着席できないことで担任から発達障害の検査を勧められたからです。
④発達障害で困った経験・悩み
小学生〜高校生時代は人間関係のテンポがずれて関係を作れないためいじめに遭いやすいことや、趣味などの興味対象が健常者の方とは少し違うので共通の友人を作ることに苦労することです。
学校で特に困ったのは運動会です。
集団行動と運動が苦手なので足を引っ張ってしまうことばかりでクラスメイトから罵声を浴びさられることが多くてとても辛かったです。
運動会以外の行事でもグループを作る際に余ってしまうことが多くて行事は苦痛でした。
専門学校に入ってからは高校までよりも自由なぶん、単位などが非常にシビアだったこともあり、講師からのアカハラを受けてうつ病になりました。
マルチタスクが苦手なので臨機応変な対応が求められるアルバイトができなくて将来への不安が強かったのはこの時期です。
専門学校を卒業してから障害者枠で就職しましたが、あまり理解のある職場とは言えない状況で障害特性を全く理解して頂けないままパワハラも横行していたので1年半で退職してから就労移行施設や就労支援施設なども利用しましたが、訓練中に奇声を発したり全裸になったりするなどの症状の重いメンバーばかりでとても訓練とはいいがたい施設ばかりで、精神障害者同士のトラブルに巻き込まれることが嫌になってそういった施設にも通わなくなりました。
一般の学校や職場に適応できませんが、障害者用の施設も物足りない印象で疲れてしまったのでどこにも居場所がないことが一番の悩みです。
⑤発達障害の悩み・生活上の支障への対策や改善策
支援者や医師などは「社会参加すること」を勧めてきて、施設や会社などに属さない所謂引きこもりのようなライフスタイルは好ましくないとしていますが、無理に社会参加や人とのつながりを求めて二次障害が悪化してしまうようならば、ベストな状態をキープして症状を悪化させないための療養としての積極的な選択肢としての引きこもりもありだと思います。
会社などに属さなくてもインターネットオークションやクラウドソーシングなどといったインターネットを利用した新たな働き方もありますし、障害年金や生活保護といった援助を利用することもできます。
支援者でも古い考えの人だとインターネットを利用した働き方に偏見のある人も多いですが、一日数百円の工賃を貰うためだけに工賃以上の交通費をかけて施設に通うよりは合理的な働き方だと思います。
会社などに属して仕事ができないから社会参加のために施設に行かないとならないというわけではなくて、趣味のために外出したり、図書館で勉強したりと、自分で決めた目標などに沿って好きなことに挑戦してみるのも良いと思います。
小・中学生の場合は無理をして学校に行かなくても塾やフリースクールに通ったり、通信教育のドリルなどを利用して家庭で勉強を進めることもできますし、高校生の場合はスケジュールに融通のきく通信制高校という選択肢もあります。
保護者の方からすれば普通の学校に行かないのは将来のためには良くないと思われるかもしれませんが、無理をして普通の道を歩んでも鍛えられるわけではなくて、むしろ二次障害を発症してしまうケースが多いので、無理をさせるのではなくて本人にあった選択をしてあげることが二次障害を減らすためには必要です。
⑥発達障害の方へのメッセージ
障害を理解してくれたり分かり合える仲間を作ることでなくて、他人に精神的に依存しなくても生きていけるくらいの気持ちを持っていた方が気楽だと思います。
障害者同士の仲間を作ることはとても難しいです。
無理をして交友関係を広げたり社会参加をしなくても生きていける方法はたくさんあるので、まず一番に大切なこととしては無理のない生活をして精神的に安定することです。
「普通の生き方」のレールから外れることに抵抗のある方も多いかもしれませんが、普通の生き方が辛いならばレールを外れてマイペースにひっそりと暮らすという選択肢もアリだと思いますし、それは決して恥ずかしいことではありません。
テレビなどに出ている天才的な発達障害者はとても少ないので、天才を目指して自己嫌悪に陥るくらいならば、自分に障害があるということを認めて、見栄やプライドは全て捨ててありのままの自分として生活した方が負担がかからなくて暮らしやすいです。
社会的成功を考えるのではなくて自分が安心した生活ができる方法を考えることが大切です。