【インタビュー】イマココ古河さん 理事長

茨城県古河市にある就労移行サービス『イマココ古河』さんの取材に伺いました。

『イマココ古河』さんは一般社団法人 アイネットさんの事業のひとつであり、平成31年3月に開所しています。

平成8年から不登校や引きこもり、ニート等の若者の支援を始め、平成25年に厚生労働省の『地域若者サポートステーション事業』を受託し、いばらき県西若者サポートステーションを運営、平成27年に同県筑西市で『イマココ』を開所。

その他多くの支援事業を行われている団体です。

 

そちらの理事長の浅沼 秀司さんに話を伺いました。

一般社団法人アイネット 理事長 浅沼 秀司さん 

 

息子さんがきっかけで始められた支援

――最初に事業を始められたきっかけはなんでしたか?

 

浅沼さん  きっかけは私の長男が不登校になったことで、当時は平成8年でしたからだいぶ前ですけどね。千何百人といる学校だったけど、その時は長男1人だけでした。当時は「登校拒否児」と言われて。それで不登校児の支援に向くようになったというのが、きっかけでしたね。

 

――息子さんの居場所のために支援を始めたという形でしょうか?

 

浅沼さん  以前は「子供っていうのは何も考えてないんだな」と思っていた。例えば小学校時代に彼がドリフを観て、ワハハと笑ってるの見ると、学校のことから逃げて刹那的に生きていると、そういう風に思っていました。

しかし今まで背中合わせだったのが、仲良くなって子供からいろんなことを聞くようになった。

彼は小5の時に「俺の人生終わった」って自分の部屋で毎日のように泣いていた。

 

その話を聴いた時にものすごく衝撃的だった。きっと親たちはそういう子供たちの気持ちを知らないだろうなと思って、そういった悩める両親へ「元気を出して」というメッセージを込めてサイトを立ち上げて、親御さん達に子供たちの気持ちを分かってもらいたいなと思ったのが活動のスタートでした。

 

――今でこそそういったサービスは増えてきているので、先駆者ですね。

 

浅沼さん  先駆者ってわけじゃないけど、親の会も東京、名古屋、大阪、九州でもやりましたね。でも親の会は割と走りなんじゃないかなと思う。よく参加者の方も「NHK来てもいいのに」みたいなことを。

東京でやると、北海道の人が来たり、青森、秋田、仙台…47都道府県半分以上は来てましたね。

 

居場所をなくしてる方の居場所に

――今行われている、精神障害や発達障害の支援は親の会の意見から出来たものだったのでしょうか。

 

浅沼さん  「サポステ」という厚生労働省の事業を請け負い、就労支援を始めたらそこに来る方の中に発達障害の方がいて。発達障害というのは今でもそうだけど、問題を先送りされ、

小学校、中学校…大学を出て、就職でつまづいて初めて分かる。

その時には彼ら彼女ら達はもう居場所がなくなっている。で、当時の既存の障害者施設というのは彼らが行けるような場所ではないので、専門のところを作りました。

 

――就労プログラムのeラーニングなどプログラミングの仕組みを作られたのは、どういった理由で始められたのでしょうか?
 

浅沼さん  もうひとつ事業所が筑西にあって、そこで始めた時も利用者の方達のB型事業所で工賃を発生させないといけないのだけど、そうするとやっぱり内職的なことしかなくて。ただそれではみんなやりがいを感じなくなる。そこで違うやり方を求めていて、名古屋のITの会社や東京の経理の会社と出会った。

 

ひとつは今の形として、eラーニングを使ってここではプログラマーになれるという仕組みで勉強ができる。あとは経理の事務の代行も行っているので、そこでうちが作る会社に就職してもらったり、経理の仕事をやってもらえば一生暮らせる給料が取れる。そういった新しい仕組みを作らないとだめだと思っている。

経理の事務代行を行っている利用者の方

 

――そういった仕組みを作ることで利用者の方にどのような効果を求めていますか?

 

浅沼さん  ひとつでも武器を身に着けて、「自分もやればできるじゃん」と達成感を育んでもらえることを期待してます。

それがゴールであって、うちの会社に入ることが決してゴールではないわけであって。彼ら彼女らが自己肯定感、自己有用感、自己達成感を育んでもらうということが一番の目標ですね。

 

自己理解こそが問題解決の糸口

――発達障害のある方の支援で気を遣われていること、特性を意識していることは何かございますか?

 

浅沼さん  実は支援や相談という言葉は基本的には使いたくなくて。上から目線な感じがするんですよ。私が講演をする時にはやむなく「引きこもり支援」とか言葉は使うのだけど。

 

人はそれぞれ輝くって思っている。どういうことかというと、人間は地球上の動植物の中で一番多様性を持っていて、それが生き残るための変化に対応できることであって、人間の強さだと思う。

社会は「なにかが出来る」ことや、今の時代に貢献するもの、役に立つものを作る人だけが褒められるのだけど、私は絶対そうじゃないと思う。

 

多様性こそが重要なので、いわゆる発達障害や精神障害などそんなのは関係ないと、基本的には思ってる。

 

本人が生きづらいとしたらそれを病気などではなくて、「自分はなぜそういうことをしてしまうのだろう」と外に攻撃的に向けずに、自分自身をしっかりと見つめて自己理解に至るようなことになってくれればいい。

 

自分のことをまず分かること。それが「生きづらさ」を解消するひとつのヒントじゃないかな、と思うんだよね。

 

だから発達障害だから、いかに「こうだ」とか「ああだ」とかっていうのはそんなに関係ないと思っていて、まず自己理解をしてもらう。ただ大体の場合はこちらで訴えかけるだけでは直らない。

 

というのは、原因は簡単な話で自己理解しないからであって、常に「人が悪者」「自分のことを分かってくれない」というスタンスから離れない。それはやっぱり家庭とか育ち方とかいろいろあるけども、私たちは自己理解を出来るようになってもらいたい。

 

若年者の場合は「サポステ」っていうサービスもあり、そこは就職のことがメインですが、そこではプログラムやセミナーなどがあるから、さらに自己理解に至れるようになり本当に変わってく子もいる。そういうのが仕組みだと思っているね。

 

――自己理解が大事っていうのは発達障害者だけじゃないですよね。
最後に自己肯定感を下げてしまっている発達障害の方に伝えたいメッセージはありますか?

 

浅沼さん  相談することだね、勇気を出して。勇気を出して誰かに「自分はこうなんだ」、「自分は生きづらいんだ」ということを公的なところや仕組みを持ってるところで話してみる。

私たちが運営している「サポステ」もそう、いくらでも利用できる。いろんなタイプの特性があるから、一回だめでも諦めないで相談、自分の困り感を言葉にする。言葉にすることが大事だと思う。必ず解決の糸口は見える。

 

それは1日2日、1ヶ月2ヶ月、1年2年では解決しなくても、長い単位でものを考え、自分自身を変えようとすれば、必ず変わる。

 

よく私がセミナーをする時に言っている言葉があって、

ヒンドゥー教の聖典にある「心を変えれば態度が変わる、態度を変えれば行動が変わる、行動を変えれば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば人生が変わる」

だから心を変えれば人生が変わるとそういう風に思っています。

就労移行サービス イマココ

https://imacoco.or.jp/

一般社団法人アイネット

https://ainetys.com/

いばらき県西若者サポートステーション

https://www.iw-saposute.org/index.html

 

 

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