『話の聴き方からみた軽度発達障害』畑中千紘-発達障害の方におすすめな自己啓発・メンタルヘルス本-
ここでは、ADHDやASD、LDなどの発達障害だけでなく、精神障害・うつ病などの二次障害の方々にもおすすめな自己啓発本・メンタルヘルス本をご紹介していきます。
当事者の方々にアンケートを取り、その中でも特に人気が高かった本を掲載しております。
また、実際の当事者の方々の本紹介レビューもあわせてご覧ください!
『話の聴き方からみた軽度発達障害』畑中千紘
コミュニケーションとは、自分と他者がいて成立するものですが、発達障害の人は、自他の分化があまり成立していないので、何らかの情動を刺激する内容の話だと、反射的に距離を取ることが多いとのことです。
そのために、話の内容と関係のないことを話し始めたりすることが多くみられますが、相手には理解不能なために、「先天的な脳の機能障害」ととらえることが多いとのことです。
しかしながら、自己や主体というものがあるようになったのは近代以降の話であり、それ以前は身分や地位とそれに伴う行動の在り方が決められていたのみで、自ら考えて決定する主体というものはありませんでした。
そこから考えると、自己や主体が未成立な人がいても、それほどおかしいわけではなく、先天的な脳の機能不全というのは偏った見方ではないかとの事です。
さらに現在では何事も市場化されていて、子供のころから人とあまりかかわらずに様々な物事を行う事が可能で、そのことも主体が未成立な子供が増えた一因かもしれないとのことです。
先天的な問題を仮定するよりも、他のことでまだまだ対応できるところが多そうだと考えさせる一冊でした。
たまご 39歳 男性